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「話してよかった」と思ってもらえること

春日井 翠先生

臨床心理士 / 公認心理師 ー カウンセリングオフィスつむぎ(東京・日本橋)

精神科クリニックや病院、スクールカウンセラー、海外の日本人向けクリニックなど、さまざまな現場で経験を重ねてきた春日井 翠 先生。
「話してよかった」という気持ちを大切にする先生に、臨床心理士を目指したきっかけや、相談者と向き合ううえで大切にしていること、初めてカウンセリングを受ける方への想いについて伺いました。

Q. 先生のこれまでの歩み

  • 臨床心理士を目指されたきっかけを教えてください。

    春日井 翠 先生 超超就職氷河期の就活で、自分が興味をもてる仕事がなかったことがきっかけです。”学んだことのないことを学びたい!”と入った心理学科でしたが、私の持っていた心理学のイメージは、臨床心理学であって、心理学の一部でしかないことにようやく気づきました(笑)

    臨床心理学を学びたいカウンセラーになりたいと思い、臨床心理士の存在を知りました。就職をしないなら、一生の仕事にできる資格をとらないと…と思い、臨床心理士を目指すことにしました。学生の頃から、人ととことん話し合う、語り合うことが好きでした。

    自分とはまた違う考え方を聞きたかったし、その考え方を生み出すその人の生い立ちやバッググラウンドにも興味がありました。人の奥行きに興味があったので、これを仕事にしていなかったら、ただの詮索好きのおばさんになっていたと思います。

  • これまで、特にどのようなご相談に携わってこられましたか?

    春日井 翠 先生  臨床心理士の資格を取れたとはいえ、超超氷河期時代に常勤の仕事などほとんどあるわけがなく、仕事はとにかくできること、求人があるところで、その時目の前にある仕事をやってきました。最初はアルコール依存症やひきこもりを強みにしている精神科クリニックで働きました。

    まだ心理士のたまごの私は、ひたすら初診の患者様もしくはご家族さまからお話をうかがうインテークをとっていました。話の切り上げ方、必要な情報をどう引き出すか、それを医師がパッと見て、何が聞き取れているかを把握できるようにどうまとめて記載するか、そして、何よりも「来院してよかった。話に来てよかった」と思ってもらえるようには、どう話を聴いたらいいかを学びました。100件以上のインテーク経験は、何にも勝る宝になりました。

     ここで、ロールシャッハ・テストにも出会っています。大学院で学んだことはありましたが、私が最初に出会ったロ・テストは、〇十年かけてもわかるようにはならないんじゃないか…と思うくらい奥の深いテストでした。それでいて、テストを受けた本人にはあまり多くのことは伝えられない印象があったので、私は早々に興味を失っていました。

    ここで再会したロ・テストの手法は、たまごの私が一生懸命やれば、ベテランと同じように結果は出せる(笑)もちろん、奥が深いことには、後々気づいていくのですが、私でもできるかも!受けた方にもいろいろ伝えられて、私も「こんな私にも伝えられることがある」という満足感と、受けた方にも「受けてよかった」と思ってもらえることに、夢中になりました。

     その後は、単科の精神科病院、スクールカウンセラー、海外の日本人向けクリニック、EAP、治験業務…と、医療に近い現場で成人の方に多く関わり、スクールカウンセラーとして学生と関わる機会がありました。相談内容は、とてもここで語りつくせません。どんなご相談であっても、ひとつとして「同じ相談」はないので、私はあまりご相談内容をカテゴリー分けをする必要性を感じていません。

Q. カウンセリングへの想い

  • これまでのご経験を通じて、印象に残っていることや学ばれたことはありますか?

    春日井 翠 先生 いろんな場所に身を置くことが多かったことは、若い頃は、定期的な相談を受けられなかったり、クライエントさんと終結を迎えられないことが悔しかったり、他の心理士に比べ経験が積めないことに苛立ったり、劣等感をもったりもしました。今ではそうした経験が、どんなクライエントさんにも、今この瞬間にどう寄り添えるのか、いつかではなく今、何ができるかを一生懸命に考えられる姿勢をもてるようになったと思っています。「人生、どんな経験も無駄ではなく糧にできる」のが、心理士ならではだと思っています。

  • カウンセリングを行ううえで、特に大切にされていることは何ですか?

    春日井 翠 先生 「話してよかった」と思ってもらえること。お話をされたからといって、すべてを理解してもらえるわけではありません。解決できるわけでもありません。気持ちがすぐに軽くなることもありません。でも、「誰かに話すことって大事なんだな」と思ってもらえたら、嬉しいと思っています。

    私でなくても、別の心理士でも、友達でも、ママ友でもいいんです。ひとりで抱えていると、風通しが悪くなっているブラックホールのようなもの。

    心の中って、無限に広がっていて際限がないので、終わりがないんです。誰かに話すとブラックホールの隙間から風が通ります。何も解決できてなくても、なんか気持ちが軽くなるし、自然とがんじがらめになっていた心が動き出すんです。そうしたら、自分で解決へ進むことができるかもしれません。

  • 初めてカウンセリングを受ける方には、どのようなことを知っておいてほしいですか?

    春日井 翠 先生 「行ってみようかな」「カウンセリングってどんなことするんだろう?」と思ったときは、もう受けるタイミングです。あなたの「心の味方」を探してみて下さい。残念な出会いもあるかもしれません。カウンセラーも人なので、どんなに勉強していても資格を持っていても、「相性」には勝てません(笑)あきらめずに運命の出会いを求めてください。

    カウンセラーは白馬に乗ってお迎えには行けませんので、ぜひいばらの道をものともせずいらっしゃってください。その努力に報えるようにお迎えします。

Q. 先生のお人柄と、相談を迷っている方へ

  • お仕事以外では、どのようなことをして過ごされていますか?

    春日井 翠 先生 わんことお散歩したり、おいしいものを食べることも大好き。ドラマや映画、小説やマンガも楽しみます。まとまったお休みがあるときは、ジグソーパズルに挑戦したりします。旅行も好きですが、プランニングで疲れちゃうので、最近は誰かがプランニングして連れまわしてくれないかな~とも思っています。

  • 最後に、カウンセリングを受けようか迷っている方へメッセージをお願いします。

    春日井 翠 先生 私が実施するカウンセリングは、基本的には継続的に実施するものになります。もちろん、一度のカウンセリングでも、「来てよかった」「相談するっていいな」と思ってもらえるように対応していますが、これも、今始めなくても将来的に継続カウンセリングを受けてもらえるように、心がけていることです。

    人は本来は誰かと話しながら生きていくものです。ひとりでは限界のある「考え」も、人と関わっていくことで良くも悪くも無限に可能性は広がります。でも、現代においては、そういう人が傍にいないことってありますよね?

    そんな時に「カウンセラー」という存在を利用してみてください。
    一度、利用して継続しなかったとしても、あなたの人生の中の選択肢に「カウンセラー」が加わることは、あなたの強味になるはずです。

この記事でお話を伺った先生

春日井 翠

臨床心理士 / 公認心理師 ー カウンセリングオフィスつむぎ(東京・日本橋)

数あるカウンセラーとの出会いは、奇跡に近い確率です。その出会いを偶然とするか必然とするかは、セラピストとクライエントとの関係をいかにして「つむぐ」かだと思っています。他力本願だけではなく、自分から ”なんとかしたい” とのお気持ちに応えるべく、一緒にあなたの未来について考えます。